2014/08/02 00:10

ドラゴンファング配信によせて

開発日誌を更新するのも、久しぶりとなりました。

株式会社トイディア 代表取締役の松田です。

下記、長文となります。
お時間の在る方だけ、どうぞお読み下さい。
 

ようやく先日、ドラゴンファングを配信することが出来ました。
長らくお待ちいただきました皆様に、改めてお詫び申し上げます。
度重なる配信延期、申し訳ございませんでした。
 

自分たちの作りたいものを作り、自分たちで配信する。
インディーズデベロッパーとしてトイディアが目指すのはそこです。
文章にすればたった1行。 誰の心も打たない平凡な言葉です。

ただ、私にはこの当たり前を形にしてお届けするまで、
多くの時間が必要でした。

今、ドラゴンファングを配信出来たことを心から安堵しています。
 

正直に申し上げます。
何度、ドラゴンファングの開発中止を迫られたか分かりません。
多くの悩みを抱え、その度に開発をやめる選択肢に潰されそうになりました。
会社の経営的にも。1個人のクリエイターとしてもです。

しかし、その度に勇気を頂いたものがございます。
事前予約して下さったユーザーさんからの応援のメールです。
配信延期をした自分達ですが、それでも応援して下さる方々がいました。

配信延期の当日に、お叱りのメールと共に、応援のメールも頂けました。
私は本日まで、会社の経営者として1人で思い悩む時。
何度、皆さんから頂いた応援メールを読み返し、勇気を頂いたか分かりません。

常にドラゴンファングは「延期」ではなく、「ここで開発終了」を問われていました。
会社の存続を考えれば、ドラファンの開発を捨ててお金になる外注仕事をすべきでした。
下請けや外注のお声がけは、とても多く頂いておりました。

しかし、配信延期の時に自分たちは、皆さんにお約束をしました。
私は、配信延期のお詫びの文面の中に「必ず皆さんにお届けします」と書きました。
おまたせした分、必ず面白いゲームに仕上げる責任がトイディアにはありました。

オリジナルのゲームを自分たちで出す会社。
トイディアは、それを目指して設立された会社です。

現実は常に辛く苦しいものですが。
配信延期の挙句、インディーズとしての挑戦や、皆さんとのお約束を途中で諦めれば。
トイディアという会社に2度と信頼や期待は頂けないでしょう。

これはオリジナルゲームを配信するデベロッパーとして終わりを迎える事を意味します。
安定と引き換えに、この先は受託会社としてやっていく道しかなくなった事でしょう。

会社として、頂いた信頼を取り下げるという事は、そういう大きな分岐です。
我々は自分たちの夢に殉じる覚悟を決めました。

それでも苦しくて思い悩みました。
人手がない。お金が無いがない。時間がない。才能がない。経験がない。

何もかもがない不安との戦いの中で、私を支えて下さったのは、
皆さんからの応援メールでした。

心に響く言葉を書いて下さったメールが20通あります。
みなさん色々な事を書いて下さいました。
お会いした事もない皆さんと、私はゲームを通してでしか関われません。
会ったこともない私に、応援のメールを下さってありがとうございました。

皆さんのお気持ちで、私はドラゴンファングと社員を守る勇気を頂きました。
改めてお礼を申し上げます。

昨日から、頂いた応援メールにお礼の返信を書かせて頂いています。
開発のすきま時間で書いておりますので、皆さんのお手元に届くにはきっと時間がかかります。
お許し下さい。

ドラゴンファングの開発を支えて下さいまして、本当にありがとうございました。
 
player_move_BC

1人でも多くの方に遊んで頂きたい。
とにかく触れて頂きたい。
今はその思いしかありません。

スマホ時代の新しいローグの提案として。
ローグというゲームを知らない方々にも触れて頂きたい。
そしてローグライクなゲームというジャンルを好きになって頂きたい。
トイディアの社員全員が、その気持で作りました。

そのためにドラファンコードという仕組みも導入しています。
お友達とコードを交換していただけば、ゲームアイテムが貰えます。
課金をしなくても、十分に遊んで頂ける仕組みが入っています。
全てのキャラクター。すべてのマップ。
我々が作ったものを、是非全て見て頂きたいと思います。
是非、隅々まで冒険して下さいませんでしょうか。
 
player_fangget

やっと配信は出来ましたが、私の構想の半分も入れらていません。
特にMAPやモンスターの数など、開発人数が直結する部分が足りません。

1ヶ月前に7人に増えた開発メンバーとも、ようやく息が合ってきた所です。
他社様の大規模開発のように配信時から膨大なボリュームを入れられればと何度悔しい思いをしたか分かりません。

ボリュームがあろうと無かろうと。
選択は常に「約束通り7月末に配信するか」or「さらに配信延期か」です。

物事には潮時という物があり、どんな物事も強く輝く瞬間があります。
運命のように「出されるべき最適な時」というものが在るはずです。

ドラゴンファングは7月末に出すべきタイトルだったはずです。

7月末の配信で、我々が提案したい最高の形をまとめあげる。
これが、私の目標の全てでした。

ドラゴンファングは、拡張性のある「おもちゃ箱」として作りました。
ユーザーさんに許される限り、ゲームとして拡張し、遊びを膨らませていきます。
また、それに耐えられる基礎部分をしっかりと作りました。

少なくとも可能性だけは実感して頂けるように仕上げたつもりです。

シナリオ、キャラ、MAP、仕掛け、エフェクト、全て拡張可能なように作りました。
これから連日のように、どんどん更新して、会社が存続する限り拡張していきます。

今までの経緯もあり、
怖くて機能拡張や更新、アップデートの予定は公開できませんが。
サービスが落ち着いたら、未来の話なども公開して行きたいとは考えています。

皆さんがネットに上げて下さるバグ報告、サポートへのバグ報告。
本当に有難うございます。
少ない人数での開発なので、皆さんにバグを教えて頂く形でしか追いつきません。
ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが。
社員総出でバグを潰して行きます。これからもバグをお教え下さい。

苦労した分、トイディアは強くなりました。
苦労をした今も。心からゲーム制作は素晴らしいと言える自分を感じます。

本日から、皆さんと追いかけっこします。
インディーズにしかできない開発の形で、皆さんと関われたらと考えています。

トイディアのゲームの開発に。
ドラゴンファングの成長に、どうぞお付き合い下さい。

ドランが居眠り

こらドラン!寝るんじゃない!


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